本来の実力を出せなくなり、他人からの評価も下がる悪癖【セルフハンディキャッピング】

あなたは学校や仕事で成績が悪かったり、実績が上げられなかったりすることは多いですか?

「時間や準備が足りなかったから上手くいかなかった」
「あまり勉強してなかったから、良い点が取れなかった」

など、自分の時間やお金、努力が足りなかったと自分自身が思ったり、言っている他人を見たことは誰しもあるでしょう。

しかしそれを続けていると、メンタルを病む可能性があるだけでなく、他人からの評価が落ちたり、人生の質を低下させることを知っていますか?

今回は、できなかった理由を言いがちな人が行っている「セルフハンディキャッピング」のデメリットと、改善法をご紹介します。

セルフハンディキャッピングとは

セルフハンディキャッピングとは、セルフ(自ら)ハンディキャッピング(不利な状況を作る)という意味で、

自分にハンデ(不利な条件)を課すことで、もし失敗しても「状況が悪かったから」と他の出来事を理由にして、自尊心や自己評価を守る行為のこと。

自分にあえて不利な状況を作っておき、例え失敗しても「準備をしていなかったから」「時間が足りなかったから」など言い訳する余地を残して、自分の心や他者からの評価を下げないために使われます。

デメリット

失敗したり上手くいかなかったことによる、失望や後悔から自分の心を守るためには、一時的な効果はありますが、何度も繰り返すと徐々に自尊心を損なうだけでなく、他者からの評価も下がります。

また、本来の成果が出せない状況を自ら作る行為なので、能力や環境を活かせず、仕事でもプライベートでも満足できる結果を残せない可能性が非常に高くなります。

さらに自己成長の機会を失い、チャンスを逃しやすくなるだけでなく、人生の質まで落としてしまいます。

メリットに対してデメリットがあまりにも大きいので、可能であれば改善を試みるのがオススメです。

改善する方法

本当はセルフィハンディキャッピングをしたくないけれど、ネガティブな気持ちになりたくなくて繰り返してしまう方や、無意識に行ってしまっている方もいます。

しかし、セルフハンディキャッピングはデメリットのほうが大きいので、少しずつでも改善していくことが大切です。

改善する為に重要なのは、心が傷付かないようにするのではなく、「自分の心が傷付いても自分で癒せるようになること

自分の心を自分で癒すことができれば、わざわざセルフハンディキャッピングを行って自尊心を守らずに済み、パフォーマンスも最大限発揮できるようになります。

そのためには「セルフコンパッション」が効果的です。

セルフコンパッションとは、セルフ(自ら)コンパッション(思いやる)という言葉で、

ありのままの自分を認め受け入れて、心を労わること。

自分の失敗も受け入れて認められるようになれば、傷ついても最小限で済み、傷も早い段階で癒せるようになります。

セルフコンパッションのやり方

セルフコンパッションはいくつも手法があるのですが、今回は手軽かつ効果の高い方法をご紹介します。

それが「親友視点のセルフコンパッション」(Self-compassion in clinical practice)

「もし親友だったら、どんなアドバイスをしてくれるか」という視点を自分の中に持つことで、自分の失敗を認められ、心を癒せるようになります。

4つの段階に沿って行うので、順番に実践してみてください。

第1段階

自分と親しい友人(家族や架空の親友でも可)を1人選びます。

そして親友に、あなたに発生したトラブルや失敗と同じことが起きたときに、あなたならなんと言うか書き出してください。

例えば、「仕事でミスをしてしまった」であれば、

「仕事でミスするなんて人間なら誰にでもあることだよ」
「ミスの数より、貢献した数のほうが多いから気にしなくていいよ」

など、自分→親友に対する言葉を書き出してください。

第2段階

次に、あなたに発生したトラブルや失敗に対し、親友ならなんと言うか書き出してください。

「話ならいくらでも聞くよ」
「ミスなんて一緒に飲んで忘れよう」

など、親友→自分に対する言葉を書き出してください。

第3段階

第1、2段階で書き出した内容を読んで、親友への対応と自分自身への対応に、どのような違いがあったか考えましょう。

もし違いがあった場合は、なぜ違いが出たか考え、あなたが自分と他人に対して異なる言葉をかけた理由を書き出しましょう。

自分は親友に優しい言葉をかけたけど、親友は自分に対してアドバイスしないで話を聞いてくれたな

他人なら深く悩まず聞いてくれるだけで楽になることを、自分は重く受け止めすぎているのかもしれない

など、何が対応の違いを生んだか考えてみてください。

第4段階

最後に、親友がトラブルや失敗で落ち込んでいるときに、親友に言った言葉と同じ言葉を自分にかけたら、その後に事態がどのように変わるか予想して書き出しましょう。

「仕事でミスするなんて人間なら誰にでもあることだよ」
「ミスの数より、貢献した数のほうが多いから気にしなくていいよ」

こう言われたら、「自分に厳しすぎたのかもしれない、軽いミスならすぐに他人も忘れるから、良い意味で気楽に考えよう」

仕事でミスしても、落ち込みにくくなる

など、自分→親友への言葉を自分に言うことにより、自分の行動や考えがどう変化するか考えてみましょう。

このセルフコンパッションをトラブルやミスが起きた日の夜や、発生した直後に行うことで、次第に書き出さなくても自然と行えるようになっていきます。

慣れてきたら「自分なら親友になんて声をかけるか」を想像し、自分が親友に言うように自分に思いやりのある言葉をかけるだけでも、セルフコンパッションができるようになり、セルフハンディキャッピングをしなくて済むようになるので、続けてみてください。

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