オススメの作業の順番は、
その日のタスクを書き出し、簡単な作業を前半にまとめる
↓
簡単な作業から行い、中盤に難しい作業を行う
↓
終盤に簡単な作業を行う
やること(作業:タスク)がたくさんある時に、やる気やモチベーションが続かないことありませんか?
難しい作業だと時間や労力がかかってやる気が落ち、簡単な作業だとモチベーションが下がってやる気が落ち……
そして、後回しにしたり結局やらずに終わったりして「なんでやらなかったのか」と後悔したこともあると思います。
そんなときは「簡単な作業から(または難しい作業から)行うと、モチベーションが続く」と言われますが、実際にはどっちの難易度の作業から始めたら良いのかわからず、自分が信じるやり方で行っている方もいるでしょう。
今回は、作業の難易度によって、どういう順番で作業を行えばやる気が持続し満足度が上がるか、研究データを基にご紹介します。
簡単→難しいパターン
救急科で働く医師を対象にした、患者とのやりとりに関する約43,000件のデータを分析した調査(Task Selection and Workload: A Focus on Completing Easy Tasks Hurts Performance)では、
予約なしで訪れる患者が増えるごとに、医師たちは症状が軽い患者を優先しやすくなった。
これは、忙しくなったからこそ、簡単なタスク(作業)をどんどん終わらせて、達成感を得て生産性が上がったように思いたくなる「コンプリートバイアス」という心理が働いたためと考えられます。
しかしこうなると、重症患者の治療が遅れたり、医師自身のパフォーマンスも低下していきます。
つまり簡単なことばかりに手を出すと、動画視聴やSNS投稿などを優先し、コンプリートバイアスで満足感を得ることで、仕事や勉強などの重要なタスクを後回しにしたり、結局やらなかったりすることに繋がります。
一方、この「コンプリートバイアス」を逆手にとってパフォーマンスを上げる方法もあります。
先程と同じ研究で、様々な業種から500人の従業員を集めた実験で、「その日の作業を始める前にすべきタスクを書き出し」た上で、
1、リストの順番どおりにタスクを行う
2、順番を問わずタスクを達成したらチェックを入れる
3、簡単なタスクをリストの先頭にまとめ、その順番通りにタスクを行う
この3つのグループに分け2週間の業務を記録したところ、
達成量がもっとも多かったのは、「3、最初に簡単なタスクを達成していったグループ」で、仕事の満足感やモチベーションも高かった。
つまり、簡単なタスクを先に行い、達成感をどんどん得る「コンプリートバイアス」を取り入れることで、
・モチベーションが上がるので、やる気を保ったまま難しい作業に取り組める
・未完了のタスクが減ることで、脳のリソース(資源)に余裕が出る
という傾向が見られました。
これを行うには、まずはどの作業が簡単(または難しい)かを洗い出すことが重要なので、
簡単なメモで良いので、その日の作業を行う前に、行うタスクを書き出す
↓
書き出したタスクから簡単にできる作業をピックアップし、リストの先頭に並べる
↓
リストの順番どおりにタスクをこなす
という流れで実践してみてください。
難しい→簡単パターン
参加者にタスクを「簡単」と「難しい」の2パターンで行って貰い、さらに簡単なタスクを行うタイミングを序盤、中盤、終盤に変えて調査した実験(The easy addendum effect: When doing more seems less effortful.)で、
・本のタイトルをアルファベット順に並べ替えさせる
・客から届いたクレーム処理のシミュレーションを行う
などの実験を行い、作業の難易度をどう思ったか評価した結果、
大抵の人は、簡単な課題を最後に行ったほうが、全体的に楽な作業だったと評価した。
これは、人は後に記憶した物事のほうが頭に残りやすい「近接誤差」という心理が働き、最後に簡単な作業を行ったお陰で、最後の印象が強く残り、「楽な作業だった」と感じやすくなったためと考えられます。
オススメの作業順番
簡単→難しい、難しい→簡単、どちらも作業のパフォーマンスや難易度の感じ方にメリットがあって、どちらを使ったら良いか迷うでしょう。
オススメとしては、
その日のタスクを書き出し、簡単な作業を前半にまとめる
↓
序盤に簡単な作業から行い、中盤に難しい作業を行う
↓
終盤に簡単な作業を行う
簡単な作業でモチベーションを上げ、やる気が上がった状態で難しい作業に取り組み、最後に簡単な作業を行って達成感と満足度を得るのが良いでしょう。
やる気に関する関連記事も下のほうにあります。
向上ライフが選んだ、この記事に関連するおすすめアイテム↓