【科学データが教える】睡眠に効果的な入浴法

寝つきが悪い、途中で起きてしまう、寝起きがスッキリしない。

睡眠の悩みを抱えている方は多いと思います。

「風呂に入ると睡眠の質が良くなる」とは聞くものの、本当に睡眠に良い影響を与えるのか疑問ですよね。

はたまた、何度のお湯に何分浸かればいいのか、シャワーだけでも効果があるのか、いまいち分からないもの。

そこで今回は、入浴が睡眠に与える影響と、効果的な温度や時間をご紹介します。

風呂と睡眠の研究

就寝前の風呂やシャワーに睡眠改善効果はあるのか。あるとしたら何時間前に入るのがベストなのか。

5,322件の研究を精査し、特に信頼度の高い17件のデータをまとめた研究によると(Before-bedtime passive body heating by warm shower or bath to improve sleep: A systematic review and meta-analysis)

40~42.5℃の入浴は、自己評価による睡眠の質および睡眠効率の改善と関連しており、就寝の1~2時間前に10分間だけ入浴を行うと、寝つきまでの時間の有意な短縮が認められた。

という結果が出ました。

これがなぜ起きるかと言うと、全身を温めることによってリラックスすることに加え、

深部体温(体の内側の体温)が上がる

上がった深部体温を下げようと体が働く

入浴後1~2時間程度経つと、手足からの放熱によって深部体温が下がる

人間は深部体温が下がると眠気を感じやすくなり、睡眠の質が高まるので、こういったメカニズムが働くことが大きな理由です。

これらは、シャワー、足湯、全身浴どれでも、深部体温が上がるものであれば構いません。

おすすめの入浴法

ではこれらのデータを踏まえて、向上ライフ流のおすすめ入浴法をご紹介します。

入浴時間

入浴時間はデータにあるとおり、10分程度が良いでしょう。

それより短いと深部体温が充分に上がらず、それより長いと深部体温が上がりすぎて、寝付きやすくなる体温に下がるまで2時間以上かかる可能性があります。

また、長時間お湯に浸かる(またはシャワーを浴び続ける)と、皮脂や肌の保湿成分まで溶け出して、肌荒れや乾燥の原因にもなるので、10分程度がおすすめです。

入浴タイプ

シャワー、足湯、半身浴、全身浴どれでも問題ありませんが、おすすめは全身浴。

どうしてもシャワーや半身浴しかできない場合はそれでも構いません。

ですが、シャワーを10分間浴び続けるのは手間や光熱費がかかりますし、足湯だけでは全身が洗えません。

半身浴でも深部体温は上がりますが、全身浴のほうが、肩や首の血流の悪さからくるコリの解消にも繋がります。

入浴温度

データでは40~42.5度の温度帯が良いとありましたが、高すぎる温度は交感神経を刺激して血圧に影響を与え、のぼせやフラつきの原因になって危険な場合もあります。

また、高い温度は睡眠には問題がなくとも、皮脂や肌の保湿成分が溶け出てしまいますので、高くても41度程度までに抑えておくのがおすすめです。

浴槽に溜めるお湯は、夏場はお湯の温度自体が上がりやすく、冬場はお湯の温度自体が下がっていたり、溜めている間に温度が下がるので、季節や気温によって温度調節を行ってください。

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