【行動科学が教える】やる気が続かない人でも目標達成できる方法7選

自分の仕事や副業、ダイエットなど、達成したい夢や目標があるのに思うように進まず、途中で諦めて挫折してしまうのは人間の常。

「時間がないから」「お金がないから」「もう若くないから」と、本当は諦めたくないのに自分を納得させて、気づいたら「もう今年も終わりか……」と寂しくなることもありますよね。

しかし人生一度きりだからこそ、自分の夢を叶えたい、やる気やモチベーションを高めて目標を達成したい、と思うのも人間の常。

そこで今回は、行動科学が教える、夢や目標を達成し叶えるための目標設定と、やる気やモチベーションを高め維持する方法をご紹介します。

コストよりベネフィットを意識する

まず大切なのは、

目標のコスト(かかる労力)よりベネフィット(得られる利益)を意識すること。

夢や目標に到達するまでにかかる時間やコストよりも、成果や利益に目を向けることで、モチベーションが保てます。

コストとベネフィットの具体例としては、

コスト:簿記3級に合格する
ベネフィット:簿記3級を取って副業の金銭管理に役立てる

コスト:転職する
ベネフィット:転職して年収を上げて趣味に使えるお金を増やす

コスト:テレビを見るのをやめる
ベネフィット:家族と過ごす時間を増やす

など、目標そのものではなく、目標を達成して何を得たいか(得られるか)に目を向けて行動するほうがやる気が持続します。

シカゴ大学のMBA学生を対象にした調査で、

「MBA学生にとって凄く欲しい、著名な経済学者のサイン入り書籍」
「同じサイン本をトートバッグに入れたもの」

この2種類をオークションサイトに出品して、好きな金額で落札して貰った実験では。

サイン本単体の平均落札価格は23ドルだったが、さらにトートバッグに入れたサイン本の平均落札価格は12ドル(ほぼ半額)になった。

このような現象が起きたのは、アメリカの学生にはトートバッグは無料で本を持ち運ぶための手段(物)というイメージがあるので、

「本が欲しいだけなのにトートバッグにまで追加でお金を出したくない」

という気持ちが生まれ、逆に落札額が低下してしまったと考えられます。

日本でも店舗やフリマサイトで「単品なら欲しいけど、セット売りされてるから微妙だな」と思うことがあると思います。

実際に得られるもの(結果)が同じでも、目標のどこに意識が向くかによって、人の価値観は上下し、モチベーションも大きく変わります。

コストよりベネフィットに注目してみましょう。

やる目標・やらない目標に区別する

やる目標は「アプローチ目標」と呼ばれ、

「運動して健康を維持する」
「集中力コントロールのテクニックを学ぶ」

といった「達成したい結果に向かっていく目標(状態)」のこと。

逆にやらない目標は「回避目標」と呼ばれ、

「お菓子を食べるのをやめる」
「ネガティブに考えるのをやめる」

といった、「やめたい結果に向かっていく目標(状態)」のこと。

数多くの研究によると、

「回避目標(やらない目標)」は「アプローチ目標(やる目標)」よりも遥かに継続するのが難しいとされています。

なぜなら「回避目標(やらない目標)」は、自分が嫌だと思っている状態から遠ざかることを目標にするので、動機としては弱く次第に面倒に感じてしまい、短期的には効果があっても、長期的には実行しなくなってしまう可能性が高いためです。

さらに人間には、「◯◯をするな」と言われると、逆にそれをしたくなったり考えてしまう心理現象があるので、逆効果になりやすいのも理由です。

ただし、継続させる必要がなく、短期的な目標を達成するには、回避目標も効果的です。

特に危害を防いだり、すぐに危険から逃れる必要がある状況では、短期的な緊急性を作り出すことができるメリットがあります。

長期的にモチベーションを保ちたければ「アプローチ目標(やる目標)」

短期的にモチベーションを上げたければ「回避目標(やらない目標)」

この2つを状況によって使い分けることが重要です。

中盤を短く区切る

どんな目標でも、多くの人は中盤でモチベーションが下がりがちになります。

これは、人は始まりと終わりにばかり注目してしまい、中盤を退屈なものと感じやすいからです。

最初はやる気に満ち溢れ、最後は終わりが見えるので意欲が上がりますが、継続している最中はコスト(かかる労力)に意識が行きがちで、ベネフィット(得られる利益)を忘れてしまうためです。

この中盤の敵に立ち向かうには、

中盤を短い単位に区切るのが重要です。

例えば「月」単位で目標を立てるより「週」単位に細かくゴール設定したほうが、始まりから終わりまでの期間が短いので、モチベーションを保ちやすくなります。

また、1日8時間の仕事を8時間の塊として捉えるのではなく、4時間経つ段階で「仕事の前半戦の終わり」と捉えたり、「仕事の後半戦の始まり」だと考えてみると、スタートとゴールが近くなるのでやる気が継続しやすくなります。

「中盤」が長くないほうが効果的なので、期間が長い場合は「始まり」か「終わり」までの期間を短く捉え直せないか考えるのも手です。

進捗を計測する

人は「目標に向かって前進しているとき」に一番モチベーションが上がります。

いつ終わるか分からないことをやり続けていると、やる意味(意義)を見失いがちになるので、

「自分の努力が着実に実を結んでいる」「確実にゴールに近づいている」ことを実感できるのが重要です。

特に仕事やダイエットなど、計測せずにいて変化が見えなくなると「どこまで進んでいるのか、ゴールまであとどれくらいなのか」が分からず挫折してしまいがちです。

この場合はスタートからの期間や行動の数をカウントするのが有効で、

「実行したらカレンダーに◯を付ける」
「変化を週ごとにグラフにして差を比べる」

など、振り返ってすぐに確認できるようにするのが良いでしょう。

将来の目標が曖昧だったり、終わりが見えない(終わりまでが長い)場合は、未来を見据えて目標を立てるよりも、すでにやったことを振り返るほうがモチベーションが上がります。

「マルチファイナル」「エクイファイナル」を使い分ける

「マルチファイナル」は、複数の目標を同時に達成する行動のこと。

例えばSNSをスマホから削除して家のパソコンだけで見ることで、「家以外での生産性を向上させる」「SNSをチェックする時間を減少させる」という複数の目標を同時に達成させる効果があります。

しかし、マルチファイナルは効率としては良いですが、達成に失敗する(一度でもやらなくなる)と「どうにでもなれ効果(なし崩し的に特定の行動をやらなくなる)」が発動して、モチベーションが下がりやすい傾向があります。

「エクイファイナル」(equifinal=同じ結果に至る)は、一つの目標に到達するために複数の手段が存在すること。

例えば「今よりお金を貯める」という目標を達成するには、「副業をする」「自動的に定額を貯金をする」「自炊をする」「無駄な固定費を下げる」などがあります。

エクイファイナルは、同時に複数の手段が存在するため、選択肢が多くてモチベーションが上がりにくい面があります。

一方、いずれかの方法が上手くいかなかったときに他の手段も選べるので、完全に挫折する可能性が低くなり、目標まで近づきやすい効果もあります。

どちらか一方が悪いという意味ではなく、どちらにもメリットとデメリットがあるため、自分に合った選択肢を選ぶのが重要になります。

複数の目標を達成したいなら「マルチファイナル」

一つの目標を達成したいなら「エクイファイナル」

広い意思決定フレームを持つ

周囲に存在する誘惑に勝てる人のほうがモチベーションを高く維持でき、目標を達成する確率も高くなります。

そこで、誘惑に勝つために役立つのが「広い意思決定フレーム」です。

「広い意思決定フレーム」とは、一度限りの誘惑が「もし一生涯、これが続いたら?」と考えてみるやり方。

例えば、ダイエットのためにお菓子を控えている際。

「週に一度、1袋食べるくらいなら問題ない」と思ったときに、

「週に1袋お菓子を食べたら、年に50袋、10年で500袋分もカロリーが増えて、その分お金も消えるけど、それでいいの?」

と自分に問いかけるような手法です。

「広い意思決定フレーム」には3つのやり方があります。

いずれの手法も「残りの人生、これをずっと続けていて良いのか?」と自問するために使用してください。

【精神的な掛け算】

実際にそれを何度も実行したらどうなるか想像する手法。

例えば、ダイエットのためにお菓子を控えているなら、お菓子を食べたくなったときに「もし一年中ずっと食べ続けたら体型はどうなる?」と考えてみる。

【事前ルール】

前もってルールを決めておく手法。

「お菓子を食べたくなったら筋トレをして、食欲を紛らわせる」「甘い物が欲しくなったら、お菓子の代わりに果物を食べる」など、事前にルール設定(イフゼンルール)をしておく。

【未来の自分を想像】

「10年後の自分はどうなっているだろう? 今の自分をどう感じるだろう?」と考えてみる手法。

「体型が崩れた未来の自分を考える」「お菓子を食べて何度も落ち込んでいる今の自分を眺めている未来の自分視点で見る」など、今の自分の将来の姿や、未来の自分から今の自分を見ることを想像してみる。

他者と繋がる

1人でやるより友人や仲間と一緒にやるほうが、やる気が出てモチベーションが維持できます。

キャンプで1人で料理を作るよりも、何人も一緒になって共同作業で料理を完成させるほうが楽しいのと同じです。

「他者と繋がる」を実行するときに、効果的な方法は3つあります。

他者を巻き込んだ目標は強い動機となり、やる気やモチベーションの継続に繋がります。

【同じ目標、または共有を目指す】

自分と同じ目標を持っている人と繋がる方法。

自分と同じ目標がある人とは仲良くなりやすく、深い結びつきも感じられ、思うように行かないときや挫折しそうなときも、互いに心の支えになります。

また、友達やパートナーと一緒にスポーツをしたり、同じ資格の取得を目指したり、趣味や目標の共有をすると継続しやすくなります。

【互いの目標をサポートする】

互いの目標が達成されるまで支援する方法。

友人と互いの副業を助け合ったり、ぶつかった壁について経験やアドバイスを求めることで、仲間としての親近感が湧き、互いの成功をサポートし合うようになり、モチベーションが保てるようになれます。

【他者の目標を支援する】

他者の目標達成を支える方法。

成功者が「世の中に成功者をもっと増やす」と決めて実行したり、先輩が「後輩の能力を伸ばす」と目標を立てて支援する中で、自分自身のスキルも成長させていくやり方です。

他者を支援し、成功したり成長していくのを見ていると、自分のモチベーションも高く維持できます。

最後に

やる気やモチベーションを高め、維持する方法は数多くありますが、とにかくアレコレ考えずに素直に実行することが大切です。

「面倒だ」「時間やお金がかかる」「時間やお金がない」「もう若くない」など、何かと理由をつけて今まで生きてきた人生が「現状に満足していない今のあなた」です。

「やらない理由を見つける天才」から、「夢や目標を達成して人生を楽しむ天才」に変われるよう、「今が人生で一番若い」の精神でチャレンジしてみてください。

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