この記事を読んで実践すると、
今の仕事が好きになる
仕事にやりがいや意義を感じるようになる
人間関係が良好になる
このようなメリットが得られます。
そうなる理由と具体的な方法は、この後わかりやすく解説していきます。
日曜日の夜になると「明日から仕事か……」と憂鬱になっていませんか?
「行きたくない」「やりたくない」と思う仕事でも、生活するために出勤したりテレワーク(リモートワーク)している方も多いと思います。
本当は好きなことを仕事にしたいけれど、
「年齢や経験が理由で転職しづらい」
「好きな仕事でも、上手く行くか不安」
「今の仕事より給料が安くなる」
など、足を踏み出せないのも現実。
「せめて今の仕事が楽しくできるようになれば良いのに」とモヤモヤしたこともあるでしょう。
そこで今回は、好きではない仕事すら、楽しくやりがいのあるものに変えられる心理テクニック「ジョブクラフティング」をご紹介します。
ジョブクラフティングとは
ジョブクラフティングとは、ジョブ(仕事)とクラフティング(技術)が合わさった言葉で、
自分の仕事に対する考えや行動を変えることで、楽しくやりがいを感じる仕事に変える手法のこと。
楽しくない、ツライと感じる仕事の業務内容を変えたり、転職や転属して職種や環境を変えるということではありません。
現在の仕事内容への考えや捉え方を変えて、仕事をやりがいのある楽しいものへと変え、やる気やモチベーションを高めるのがジョブクラフティングです。
ジョブクラフティングの効果
「そんなことで仕事が楽しくなるの?」と思う方もいるでしょう。
しかし、35,670人の労働者に対してジョブクラフティングの効果を調べたところ、次のような結果が出ました。
ジョブクラフティングは、前向きな行動の増加、周囲の問題を積極的に解決する姿勢の増加、主体的に仕事に取り組む感情の増加と強く関連していることが判明した。
つまり、ジョブクラフティングを行うと、仕事に対して、
前向きになる
問題解決に積極的になる
意欲的に取り組むようになる
というように、仕事に積極的に取り組むようになり、楽しく感じるようになったという結果が出ました。
ジョブクラフティングのやり方
ジョブクラフティングには大切なポイントがあります。
それを外すと効果が薄くなるので、中には面倒臭いと感じる方もいると思いますが、「今の楽しくない仕事を楽しくするため」と考えて実践してみてください。
セルフモニタリング
まず大切なのは「自分の感情をモニタリングすること」
「今の仕事に対して、自分はどう感じているか?」を把握し、問題点を挙げる作業です。
これを行わないと、「そもそも何が仕事をつまらなくしているのか」「何がツライのか」が漠然としたままなので、問題を解決させる案が出せません。
セルフモニタリングに必要な作業は次の3点です。
①作業と感情を記録する
「同僚と休憩中に雑談をしたら楽しかった」
「パソコン作業で思ったより時間がかかってツラかった」
など、仕事中にどんな感情が湧いたかを1週間ほど毎日メモしましょう。
走り書きのような短く簡単なメモで構いません。
頭の中だけで思い返したくなりますが、後でまとめて振り返る作業を行うのでメモ書きが最適です。
これは仕事中に、自分が何に対してどう感じるかの感情パターンを確認する作業なので、ジョブクラフティングを行う前の準備として必須です。
もし感情パターンの記録がどうしても手間だと感じる方は、現在の仕事で、
嫌なところ5選
やりたいこと5選
をリストとして書き出してみてください。
②改善するための方向性を決める
自分の感情パターンを把握したら、具体的な改善の方向性を決めます。
次の3つの中から、まず1つを選んで実践してみてください。
1、やり方を工夫する
自分のスキルや知識を活かして、作業や業務がやりやすくなるようにする。
「新人教育で毎回説明するのは大変だから、誰でも読めば分かって再確認もできるマニュアルを作ってみよう」
「人はそれぞれ得意分野が違うから、この作業は私、この作業は◯◯さんにやって貰おう」
など、仕事がやりやすいように環境を変える努力や工夫をしてみるパターン。
2、人間関係を工夫する
同僚や上司、顧客など、もっと良い関係性を作れるようにする。
「上司のココが業務の進行を遅らせる原因の一つになってるから、相談という形で改善提案してみよう。ちゃんと話せば信頼関係も増して、より気軽に提案できるようになるかもしれない」
「クレームを不満や怒りだと思うのではなく、お客様が困っているということだから、困りごとを親身になって解決するつもりで応対してみよう」
など、職場の人間関係や顧客とのやりとりを良好かつスムーズにするパターン。
3、捉え方を工夫する
仕事の意義を掘り下げ、「誰のために役立っているか」や「やりがいに繋がる部分はないか」など、仕事への捉え方を変えるようにする。
「私の仕事は、目の前のお客様一人だけでなく、お客様と一緒に住む家族も幸せにする仕事だ」
「私の業務は、社会をより良くするサポートをして、皆を笑顔にする社会貢献だ」
など、仕事の意義を見つめ直し、自分の仕事が人や社会にどう役立っているか考えるパターン。
この3パターンが、仕事にやりがいを見つけ出し、やる気やモチベーションを高めます。
特に「3、捉え方を工夫する」が改善効果が長続きしやすいのでオススメです。
もし上手くいかないようであれば、それぞれを組み合わせたり、色々とパターンを変えたりして、自分に合うスタイルを見つけてみましょう。
③仕事に「肩書」をつける
「会社員」や「パート」などではなく、自分の役割を明確にした肩書を付けましょう。
「肩書を付けたところで、何が変わるの?」と思う方もいるでしょう。
肩書は「制服」のようなもので、普段着からスーツや作業着に着替えると気持ちが切り替わるように、肩書を付けることで仕事への意識が変わり、行動にも変化が出て結果が変わってきます。
例えば、
「接客業」
↓
「困りごと解決人」
「人を笑顔にするプロ」
「営業職」
↓
「斬り込み隊長」
「悩み見極めアドバイザー」
など、仕事に肩書を付けて取り掛かると、意識が変わってやる気やモチベーションが上がります。
ジョブクラフティングの注意点
嫌な仕事すら楽しくするジョブクラフティングですが、実践するに当たって注意点もあります。
119人の医者や看護師を集めて、ジョブクラフティングの3つのパターンを教えて実践して貰った実験で、
チャレンジ・シーキング
仕事に結びつくボランティアに参加したり、グループに参加してみたり、今まで行ったことのない作業に挑んでみる。
リソース・シーキング
同僚にフィードバックをお願いしたり、仲間に助けを求めてみたり、他人に協力を頼んで親密さを深めていく。
デマンド・レデューシング
効率のいい働き方を考えたり、仕事を任せてみたり、自分が抱えている負担を減らしていく。
これら3パターンを実践して貰い、ジョブクラフティングの達成度や満足度を確認したところ、モチベーションを高めたのは、
1位 チャレンジ・シーキング(新規挑戦)
2位 リソース・シーキング(協力要請)
3位 デマンド・レデューシング(負担軽減)
となりました。
(出典:Individual job redesign: Job crafting interventions in healthcare)
しかし、デマンド・レデューシング(負担軽減)は、「逆に疲労感の増加と相関していた」という結果もあるので注意が必要です。
これは、効率が上がり仕事量が減ることで、やることが少なくなり、やりがいを感じなくなったことが原因と推測されます。
このことを伝えると「デマンド・レデューシングをやっては駄目なんだ」と思う方もいるでしょう。
デマンド・レデューシングが駄目なのではなく、やりすぎると逆効果になるので、やることが多すぎてストレスが溜まっている方は実践して効率化を図りましょう。
そして程よいレベルまで落ち着いたら、チャレンジ・シーキング(新規挑戦)やリソース・シーキング(協力要請)に重点を置くことが大切になります。
ジョブクラフティングは、仕事を楽しくやりがいのあるものに変える効果的な手法です。
ただし最大の注意点として、ジョブクラフティングを実践しても、人間関係が悪いままであったり、ブラック企業の場合は、心や体を病む原因になりますし、やりがい搾取されるだけなので、転職することをオススメします。
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