虫歯・歯周病予防、口臭予防などの口内(口腔)ケアに使用されるマウスウォッシュ(マウスリンス)。
歯や歯茎の健康を守るため、はたまたモテやエチケットのため、使っている方もいるでしょう。
しかし実は、マウスウォッシュを過剰に使っていると、体の健康を損なう可能性があるのをご存知ですか?
今回は、マウスウォッシュの見逃せない健康デメリットをご紹介します。
マウスウォッシュと糖尿病の研究
糖尿病や心疾患にはかかってない、40~65歳の太り気味の男女1,206人に行った研究で(Over-the-counter mouthwash use and risk of pre-diabetes/diabetes)
全員の健康状態や運動習慣、飲酒や喫煙習慣などを調べ、マウスウォッシュの使用有無や状況もチェック
↓
3年後の健康状態を調べる
という研究を行った結果、
マウスウォッシュを1日2回以上使用していた参加者は、使用頻度の低い参加者と比較して、糖尿病予備軍や糖尿病になるリスクが有意に高かった。
出典:Over-the-counter mouthwash use and risk of pre-diabetes/diabetes
という結果が出ました。
この有意差は本人の収入、教育レベル、口腔衛生や状態、睡眠時の呼吸障害、普段の食事内容、服用中の薬、血糖値の値などの要素を考慮しても残りました。
マウスウォッシュで糖尿病リスクが上がる理由
なぜマウスウォッシュで糖尿病のリスクが上がるのでしょうか。
マウスウォッシュは口内除菌が主な役割ですが、虫歯や歯周病の原因となる菌だけでなく、体に有用な菌まで除菌してしまうためです。
同じ研究によると、
一酸化窒素の生成に重要な口腔微生物に影響を与え、糖尿病などの代謝障害を引き起こしやすくなる可能性があります。
出典:Over-the-counter mouthwash use and risk of pre-diabetes/diabetes
一酸化窒素は、別の研究にもあるように、代謝コントロールやインスリンレベルの調整なども行っています。
一酸化窒素の補充が高血糖によるインスリン抵抗性の改善に有効である可能性を示唆している.
出典:一酸化窒素(NO)のインスリン作用発現に果たす役割
つまり、マウスウォッシュによって、一酸化窒素を作るのに必要な菌まで減ってしまうため、インスリンに影響を与え、糖尿病の発症に繋がる可能性が上がるということです。
また、糖尿病患者98名と糖尿病でない肥満及び標準体重の合計196名の口腔細菌(口腔マイクロバイオーム)と糖尿病リスクを比べた研究によると(Association of oral microbiome with type 2 diabetes risk)
複数の細菌分類群が2型糖尿病のリスクと関連していることが明らかになりました。
出典:Association of oral microbiome with type 2 diabetes risk
一部は肥満の有病率とも関連しており、口腔マイクロバイオームが糖尿病の病因において重要な役割を果たしている可能性を示唆しています。
という結果が出ました。
虫歯や歯周病、口臭などを予防するには、マウスウォッシュではなく、歯ブラシによる丁寧なブラッシングや高濃度フッ素入りの歯磨き粉の使用がオススメです。
フッ素の安全性については「【世界の歯科学会が伝える】フッ素は安全? 危険な? フッ素の真実」をご覧ください。
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