進学、入社、転勤、転職など、新しい環境や会社、コミュニティに入るときに出会う初対面の人達。
「変な人だと思われないかな」
「悪い印象を抱かれないかな」
など、誰しも良い印象で他人に受け入れて貰いたいもの。
どうにか、第一印象を良くする方法はないものでしょうか。
また、時には初対面で失敗して、第一印象があまり良くなかったこともあると思います。
そんな悪い印象を良い印象に変える方法はないものでしょうか。
そこで今回は、第一印象を良くする方法、悪い印象を改善する方法をご紹介します。
第一印象の実験
アメリカの大学で、55人の参加者に第一印象について行った実験(Impressions Based on a Portrait Predict, 1-Month Later, Impressions Following a Live Interaction)で、
参加者をグループに分け、同じ女性の笑顔と無表情、どちらかの顔写真を見て貰う
↓
写真の女性の好き嫌いを採点して貰う
この時点では「笑顔」の写真を見た参加者のほうが、女性への第一印象は良くなりました。
実験はさらに続き、
その後、1~6ヵ月後に参加者と写真の女性を実際に対面させる
↓
20分ほど自由にコミュニケーションを取って貰う
この時点で参加者のほとんどは、短い時間顔写真を見ただけなので、女性のことは忘れているはずですが、コミュニケーション後に女性達の印象を採点して貰ったところ。
最初の実験時に顔写真を「好ましい」と採点していた場合は、実際に本人と会っても「良い人だ」と判断し続けやすかった。
最初の実験時に顔写真を「好ましくない」と採点していた場合は、実際に本人と会っても「友達になりたくない」と判断し続けやすかった。
という傾向が見られ、ほとんど忘れていた顔写真での印象でも、長いと半年後でも他人の印象に影響を与え続けるという結果になりました。
こうなる理由について、研究チームは2つの仮説を立てていて、
自己成就的予言
自分で「こうなるのではないか」と思っていると、実際にその予言が現実のものとして成就してしまう現象。
今回の実験の場合は、事前に写真を見て「この人は良い人だろう(または悪い人だろう)」と思ったせいで、実際に会ったときに参加者の印象や会話量に変化が生まれ、結果としてさらに相手への印象を強めた。
ハロー効果
ある対象を評価するとき、特徴的な一部の印象に引きずられて、全体の評価をしてしまう効果。
今回の実験の場合は、事前に写真を見て「この人は良い人だろう(または悪い人だろう)」と思ったせいで、「他にも色々と良い面があるはずだ(または悪い面があるはずだ)」と思い込む錯覚的な評価をしてしまった。
つまり、写真による第一印象ですら、その後の印象やコミュニケーションに影響を与えるので、とにかく「初対面時こそ丁寧に相対し、笑顔で接すること」が重要になります。
初対面で悪い印象を抱く原因
しかし、もうすでに初対面を済ませてしまっている場合も多々あるでしょう。
良い印象を抱かれていれば問題ないものの、悪い印象を抱かれていたり、実は好印象を持たれていないのではないかと不安になっている方もいると思います。
または、初対面は好印象を与えられたけれど、もっと良い印象(関係)を築いていきたい方もいるでしょう。
その場合は、これからご紹介することを意識して、改善法を実践してみてください。
人間の脳は楽をしようとすることを意識する
脳は「重要ではない」と思ったことにエネルギーを消費することを嫌うため(認知的倹約家)、第一印象も今までの知識や経験(偏見)で決められてしまうことを大前提で考えましょう。
例えば、他のことに意識を取られていて、初対面時に素っ気ない態度や他のことをしながら対面をすると、
「この人は冷たそうだな」
「他人に関心がない人なんだな」
などと相手の脳内で無意識に判断されてしまい、その印象を消すことが難しくなります。
悪い印象を改善する方法
悪い印象を良い印象に変えるには、味方意識や仲間意識を相手に芽生えさせることが重要です。
自分の印象を他人に聞く
他人から見た自分の印象は、自己判断が非常に難しいので、一番簡単なのは「他人に印象を聞いてしまう」こと。
家族や仲の良い友人に「正直に」答えて貰い、自分の印象を客観的に把握することも有効です。
特に友人に「初対面のとき、どういう印象だった?」と尋ねるのが効果的。
そこから自分の問題点や悪い印象を与えている言動を把握すると、
・今後初対面でどこに気を付ければ良いか
・知り合いが抱いているだろう印象
が理解でき、改善に役立てることができます。
優しい態度をアピールする
他人に好印象を与えたければ、優しさを表に出すことが大切です。
優れた能力があっても協調性がない人のことを、人間は無意識に「敵」と感じる傾向があります。
しかし、敵同士だった者が味方になる映画のように、
「この人、本当は優しい人なのではないか」
「私が悪い人と思い込んでいただけかもしれない」
など、相手の脳が「味方」だと認識するまで優しい言動で接すると、相手からの印象を変えることができます。
仲間だと意識させる
人間は共通点を持っている相手と仲間意識が芽生える生き物です。
相手との共通点を見つけ出し、「仲間」だと認識して貰えれば悪い印象も良い印象に変えることができます。
もっとも手軽なのは、今までの人生での自分の失敗や欠点を話す方法。
他人から失敗談や欠点の話を聞くと、「同じ人間なんだ」という親近感が生まれ、安心感が増すお陰で仲間意識が芽生えます。
「逆の証拠」をたくさん浴びせる
色々試しても悪い印象が拭えない場合は、相手に対して「逆の証拠」をたくさん浴びせてみましょう。
普段は穏やかな人がテンション高く盛り上がっていたり、ボケたりツッコんだりするのを見て「この人、こういう一面もあるんだ」と思ったことがあると思います。
それと同じように、自分が見せたい一面を相手から見える場面で何度も行えば、印象を変えることができます。
例えば、「冷たい人」というイメージを覆したい場合は、相手や他人に対して親切な行動をたくさん取って、相手からの印象が変わるまで「逆の証拠」を浴びせまくるのが効果的です。
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