世の中には高級ブランドの話をよくしたり、実際にたくさん身に着けている人を見たことがあると思います。
「なんで高級ブランドの話ばかりするのだろう?」
「この人、なんでこんなに高級ブランド品で着飾ってるの?」
など、高級ブランドに強い興味を持っている人や、高級ブランド品を買ってお金がなかったり、借金までして買う人がいるのは何故でしょうか。
実は、高級ブランド品に強い関心がある人や、高級ブランド品で着飾っている人は「全身鎧を着た騎士」なんです。
今回は、高級ブランド品の話をよくしたり、身に着けている人がいる理由と、高級ブランド品を手放してお金も心も自由になる方法をご紹介します。
高級ブランド品と人間心理の実験
自分の持っている権力(影響力)と高級ブランド品への意識を調査した実験で(出典:Desire to acquire: Powerlessness and compensatory consumption)
低権力グループ:自分が他人に影響を「与えられた」「失敗した」経験を思い出す
高権力グループ:自分が他人に影響を「与えた」「成功した」経験を思い出す
↓
様々な製品に対して、いくらの値段を付けたいと思うかとその傾向をチェック
という実験を行ったところ、低権力グループは、
被験者はシルクのネクタイや毛皮のコートなどのステータス志向のアイテムには高い金額を支払う意思を示したが、ミニバンやドライヤーなどの一般的な製品には高い金額を支払おうとしませんでした。
(中略)
特に、無力感という嫌悪的な心理状態を経験しているときに、高ステータスの製品を手に入れることで、より大きな力の感覚が得られると感じました。
つまり、他人に影響を「与えられる」機会や失敗経験を思い出しがちな人(言い換えれば、他人に影響を与える機会が少なく権力がない人や失敗経験が多い人)は、自分のお財布事情に関係なく、高級ブランド品やステータスの高い物に過剰にお金を使う傾向がある、という結果が出ました。
これは、自分に足りない影響力や権力を、高級品を手にすることで補って、自尊心や自己肯定感を高めて無力感を埋め、全身鎧を着て騎士が体を守るように、高級ブランドという鎧をまとってメンタルを守ろうとするため。
高級ブランドを身にまとっている人は、一見明るくポジティブに見えますが、実は満たされない心を権力の象徴である高級ブランド品を身に着けることで、満たそうとする心理が働いているんです。
しかし、自分の内面ではなく、自分の外面に価値を置くと、過剰に浪費してお金がなくなったり借金をしてしまいます。
また、内面を磨いて自己肯定感や自分の価値を高めようとしなくなるので、ちょっとした失敗で落ち込んでしまったり、他人からは「中身のない人」と思われる可能性が高まるので、良い傾向とは言えません。
自己肯定感を高める方法
高級ブランド品という鎧に頼らず、自己肯定感や自分の価値を高める方法をご紹介します。
自己肯定感を高めることで、高級ブランド品に目移りしないようになり、無駄な消費を抑えられるだけでなく、人としての魅力まで高まって他人からも好かれやすくなるので、ぜひ取り入れてみてください。
無力感を減らし自己肯定感を高める為に重要なのは、心が傷付いたり落ち込んだりしないようにするのではなく、「自分の心が傷付いても自分で癒せるようになること」
自分の心を自分で癒すことができれば、わざわざ高級ブランド品に頼って自尊心を守らずに済み、パフォーマンスも最大限発揮できるようになります。
そのためには「セルフコンパッション」が効果的です。
セルフコンパッションとは、セルフ(自ら)コンパッション(思いやる)という言葉で、
ありのままの自分を認め受け入れて、心を労わること。
自分の失敗も受け入れて認められるようになれば、傷ついても最小限で済み、傷も早い段階で癒せ、自己肯定感も高まります。
セルフコンパッションのやり方
セルフコンパッションはいくつも手法があるのですが、今回は手軽かつ効果の高い方法をご紹介します。
それが「親友視点のセルフコンパッション」(Self-compassion in clinical practice)
「もし親友だったら、どんなアドバイスをしてくれるか」という視点を自分の中に持つことで、自分の失敗を認められ、心を癒せるようになります。
4つの段階に沿って行うので、順番に実践してみてください。
第1段階
自分と親しい友人(家族や架空の親友でも可)を1人選びます。
そして親友に、あなたに発生したトラブルや失敗と同じことが起きたときに、あなたならなんと言うか書き出してください。
例えば、「仕事でミスをしてしまった」であれば、
「仕事でミスするなんて人間なら誰にでもあることだよ」
「ミスの数より、貢献した数のほうが多いから気にしなくていいよ」
など、自分→親友に対する言葉を書き出してください。
第2段階
次に、あなたに発生したトラブルや失敗に対し、親友ならなんと言うか書き出してください。
「話ならいくらでも聞くよ」
「ミスなんて一緒に飲んで忘れよう」
など、親友→自分に対する言葉を書き出してください。
第3段階
第1、2段階で書き出した内容を読んで、親友への対応と自分自身への対応に、どのような違いがあったか考えましょう。
もし違いがあった場合は、なぜ違いが出たか考え、あなたが自分と他人に対して異なる言葉をかけた理由を書き出しましょう。
自分は親友に優しい言葉をかけたけど、親友は自分に対してアドバイスしないで話を聞いてくれたな
↓
他人なら深く悩まず聞いてくれるだけで楽になることを、自分は重く受け止めすぎているのかもしれない
など、何が対応の違いを生んだか考えてみてください。
第4段階
最後に、親友がトラブルや失敗で落ち込んでいるときに、親友に言った言葉と同じ言葉を自分にかけたら、その後に事態がどのように変わるか予想して書き出しましょう。
「仕事でミスするなんて人間なら誰にでもあることだよ」
「ミスの数より、貢献した数のほうが多いから気にしなくていいよ」
こう言われたら、「自分に厳しすぎたのかもしれない、軽いミスならすぐに他人も忘れるから、良い意味で気楽に考えよう」
↓
仕事でミスしても、落ち込みにくくなる
など、自分→親友への言葉を自分に言うことにより、自分の行動や考えがどう変化するか考えてみましょう。
このセルフコンパッションをトラブルやミスが起きた日の夜や、発生した直後に行うことで、次第に書き出さなくても自然と行えるようになっていきます。
慣れてきたら「自分なら親友になんて声をかけるか」を想像し、自分が親友に言うように自分に思いやりのある言葉をかけるだけでも、セルフコンパッションができるようになり、高級ブランド品を手放すことすらできるようになるので、続けてみてください。
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