この記事を読むと、
暖房器具の種類と特徴、メリット・デメリット
暖房器具の電気代(光熱費)
自分の家や環境に合った暖房器具の選び方
これらがわかります。
寒い冬の時期になると、布団から出る時、家に帰ってきた時、すぐさま暖房を点けたくなりますよね。
しかし燃料費の高騰や円安により、電気やガス代が高くなっているため、できるだけ光熱費のかからない暖房器具を使いたいと思っている方も多いでしょう。
また、自分の家や生活習慣に合った暖房器具がわからず、なんとなく買った物を使っているものの、思ったように暖まらなくて悩んでいる方もいると思います。
そこで今回は、各種暖房器具の特徴とメリット・デメリット、かかる光熱費やおすすめの使い方をご紹介します。
暖房器具の特徴
まずは基本として、エアコンの暖房の特徴、メリット・デメリット、光熱費目安、おすすめの使い方を基準に、各種暖房器具を比べていってみましょう。
(光熱費は1日8時間使用を30日間行った場合で統一。電力単価は30円/kWh換算)
1. エアコン(暖房モード)
- 特徴:
温風で室内全体を短時間で暖められ、部屋全体を均一に温めるのが得意。 - メリット:
省エネ性能が高く、暖房器具の中では電気代が比較的安い。
温度設定やタイマー機能が使えるため、好みの室温に細かく調整が可能。 - デメリット:
暖気が天井にたまりやすいので足元が冷えやすく、部屋の間取りによっては風が直接当たる。
温風で空気の流れを作りながら暖めるため、部屋全体の水分量が均一になりやすく湿度が下がり空気が乾燥しやすい。 - 光熱費目安:
6畳用で月約3,300〜5,000円
(消費電力500~800W) - おすすめの使い方:
リビングなど広めの部屋での長時間使用に最適。
サーキュレーターを併用することで、暖気が天井にたまるのを防ぎ、足元まで暖かくなる。
乾燥対策には加湿器併用が効果的。
2. オイルヒーター
- 特徴:
内部のオイルがゆっくりと加熱され、じわじわと輻射熱(ふくしゃねつ)で部屋全体を温める。
「輻射熱」は空気を直接温めるのではなく、壁や床、家具に熱を伝えてそこから自然に放射するような暖かさ。
乾燥を抑え、穏やかな暖かさが持続する。 - メリット:
空気が汚れず、静音性が高いため、アレルギーや乾燥が気になる人におすすめ。
体にじんわりと伝わる自然な暖かさ。
空気を強制的に動かさず、湿度が失われにくいので、暖房中でも空気が乾燥しにくく、肌や喉にも優しい暖房になる。 - デメリット:
電気代が高めで、部屋が暖まるのに時間がかかるため短時間の使用には不向き。 - 光熱費目安:
6畳用で月約7,200〜10,800円(消費電力800~1200W) - おすすめの使い方:
寝室やリビングなど、長時間過ごす部屋で使用すると効果的。
温風を出すわけではなく、空気の乾燥もしにくいので、赤ちゃんのいる部屋やペットがいる環境にも向いている。
夜間や静かに過ごしたいシーンで優しい暖かさを提供してくれる。
3. ガスファンヒーター
- 特徴:
ガス燃焼によってすぐに温風を送り出し、部屋を即座に温める。
足元から温めてくれ、室内全体が暖かくなる。 - メリット:
短時間で部屋が温まり、電気代を抑えながら暖かさが得られる。
立ち上がりが早いので、寒い朝にも便利。
ガスが燃焼するときに水蒸気も発生するので、部屋が乾燥しにくい。 - デメリット:
ガス代がかかり、燃焼を利用しているため定期的な換気が必要。
また、ガス栓の近くでしか使用できない。
水蒸気を発生させるので、窓に結露が発生しやすくなる。 - 光熱費目安:
都市ガスで月約3,500〜4,500円、プロパンガスで月約8,000〜9,500円
(ガス代は地域差が大きいので、おおよその目安で計算) - おすすめの使い方:
リビングやダイニングなど、すぐに温めたい場所で活躍。
朝の冷え込みが厳しいときや、帰宅後すぐに部屋を暖めたい場合に効果を発揮する。
特に足元の冷えが気になる人におすすめ。
4. セラミックファンヒーター
- 特徴:
内部のセラミックが発熱し、電源を入れるとすぐに温風を出す。
小型で持ち運びしやすく、スポット的な暖房に最適。 - メリット:
即暖性が高く、必要なときにすぐに温風が出る。
軽くて移動しやすく、持ち運んで気軽に使える。 - デメリット:
消費電力が高めで、広範囲を暖めるのには時間がかかるので、リビングなど広い部屋には不向き。
長時間使用すると電気代がかさむ。 - 光熱費目安:
6畳用で月約6,000〜7,200円(消費電力1000〜1200W) - おすすめの使い方:
脱衣所やトイレ、デスク周りなど、短時間で温まりたい場所や狭い範囲に便利。
必要なときだけ使いたいときにぴったりで、持ち運びやすいので場所を問わず活躍する。
5. 石油ファンヒーター
- 特徴:
灯油を燃焼させ、温風で部屋全体を温める。
火力が強いため即効性があり、部屋全体が素早く暖かくなる。 - メリット:
燃料費が安く、効率よく温度を上げられる。
冷え性の人や寒冷地に住む人には特に向いている。 - デメリット:
灯油を燃焼させるので、定期的な灯油補給と換気が必要。
独特のにおいを発するので、気になる人もいる。 - 光熱費目安:
月約4,000〜5,500円(灯油代120円/L換算) - おすすめの使い方:
寒冷地のリビングや、広い部屋の全体暖房に向いている。
すぐに部屋を暖めたい朝や、部屋全体が冷え込む冬の夜にも頼れる暖房。
6. 電気毛布・ホットカーペット
- 特徴:
接触部分を直接暖めるため、部屋全体を温めるというより、体を直接温める部分的な暖房に向いている。 - メリット:
圧倒的に電気代が安く、省エネ効果も高い。
環境に優しく、足や体を集中的に温められる。 - デメリット:
部屋全体は暖められない。
触れていないと温かくならないため、移動をよくする人には不向き。
電気毛布は体に掛けるので動きにくさが出ることもある。
ホットカーペットは床に敷くため、床に座って過ごさない人は使用頻度が減る。
長時間触れていると低温やけどのリスクがある。 - 光熱費目安:
電気毛布で月約220〜330円(消費電力50〜80W)
ホットカーペットで月約1,200〜1,800円(消費電力200〜300W) - おすすめの使い方:
リビングやソファなどでの部分的な暖房として使用すると効果的。
勉強や作業時に足元を温めるのにもぴったりで、エアコンだけでは足元が冷える場合にも活躍する。
7. カーボンヒーター・ハロゲンヒーター
- 特徴:
遠赤外線で体を直接暖める。
即効性が高く、暖かさが感じられるまでが早い。 - メリット:
点けるとすぐに暖かく感じられ、持ち運びも便利。
狭い場所でのスポット暖房として適している。 - デメリット:
電気代が高めで、部屋全体を暖めるには不向き。
離れると暖かさがすぐに感じられなくなる。 - 光熱費目安:
月約4,800〜6,600円(消費電力400〜800W) - おすすめの使い方:
デスクワークや、足元に置いてスポット的に使いたい場面にぴったり。
リビングやキッチンの補助暖房としても便利。
それぞれの特徴にも軽く触れておきます。
カーボンヒーター
カーボン(炭素繊維)を発熱体に使ったヒーターで、赤外線を多く放出するのが特徴。
メリット
- 速暖性:スイッチを入れるとすぐ暖かい。
- 省エネ:赤外線効果で体感温度が上がりやすい。
- 静音性:運転音がほぼゼロ。
デメリット
- 狭い範囲:広範囲を暖めるのは苦手。
- 光が気になる:明るく光るのが苦手な人には不向き。
ハロゲンヒーター
ハロゲンランプを使ったヒーターで、こちらも赤外線を放出して暖める。
メリット
- 速暖性:スイッチを入れるとすぐ暖かい。
- 軽量・コンパクト:持ち運びやすいデザインが多い。
- 価格が安め:初期費用を抑えられる。
デメリット
- 光が強い:明るい光が出るので就寝時には不向き。
- 電気代が高め:カーボンヒーターに比べ効率がやや劣る。
選び方のポイント
- 速暖性重視なら:ハロゲンヒーター
- 省エネ重視なら:カーボンヒーター
8. コタツ
- 特徴:
こたつ布団で暖気を閉じ込め、ヒーターで足元を温める。
ヒーターで体とこたつ布団内を暖めるので、即暖性がある。 - メリット:
足元をしっかり暖められ、こたつ布団の保温効果で効率的に暖かさを保てる。
電気代が電気毛布に次いで非常に安い。 - デメリット:
部屋全体は暖まらず、こたつから出ると寒く感じる。
長時間こたつで過ごすと、体内水分の喪失などで体調を崩しやすい。
長時間入っていると低温やけどのリスクがある。 - 光熱費目安:
月約330〜660円(消費電力50〜100W) - おすすめの使い方:
リビングや和室での団らんに最適。
ヒーターの出力を上げるだけでなく、布団を追加するとさらに暖かさを保てる。
9. パネルヒーター
- 特徴:
パネルが遠赤外線でじんわりと体や壁に直接熱を届けることで暖める。
空気が乾燥しにくく、静かに温められる。 - メリット:
乾燥を抑え、静音性が高いので寝室やデスクに合う。
温風を出さないのでハウスダストなどのアレルギー対策としても効果がある。 - デメリット:
部屋全体を暖めるには力不足で、電気代がやや高め。
温かさを感じるまでに時間がかかる。 - 光熱費目安:
月約3,800〜6,600円(消費電力300〜600W) - おすすめの使い方:
寝室や子供部屋の長時間暖房に最適。
寝る前のリラックス時や読書タイムにじんわりとした暖かさを得られる。
これらの光熱費をランキング形式にしたのが次の表です。
光熱費だけ見れば電気毛布が一番安く済みますが、家族構成や家の間取り、自分の行動習慣によって合った暖房器具は変わります。
紹介した内容を参考に、自分の使いたい暖房器具を選び、寒い冬を暖かく過ごしてください。
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