地球温暖化(気候変動)によってゲリラ豪雨(ゲリラ雷雨)や台風が発生する頻度が増えました。
さらに近年では「線状降水帯(せんじょうこうすいたい)」の発生によって、大雨による洪水や土砂災害に警戒してくださいと天気予報で言われるようになりました。
しかし、線状降水帯で大雨と言われても、ゲリラ豪雨や梅雨前線と何が違うのか。
はたまた、なぜ線状降水帯が発生するのか、よく分からない方も多いと思います。
今回は、線状降水帯の基礎知識を、難しい言葉も簡単にして、超初心者向けにご紹介します。
線状降水帯とは
線状降水帯は、気象庁では以下のように決められています。
次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなし数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、長さ50~300km程度、幅20~50km程度の線状に伸びる強い降水域を線状降水帯といいます。
出典:気象庁「予報が難しい現象について (線状降水帯による大雨)」
つまり、狭い範囲で降るゲリラ豪雨や何週間もシトシトと降る梅雨前線とは違い、
「線状降水帯」は、同じ場所に数時間以上、大雨を降らせる発達した雨雲(積乱雲)の行列のことを指します。
大まかに言えば、ゲリラ豪雨になる雲が何個も同じ場所にやってくる状態が線状降水帯です。
どういうときに発生する?
まだ明らかになっていないメカニズムもありますが、こういう条件が整ったときに発生しやすいという状態はあります。
地上近くにある暖かく湿った風が山や冷たい空気などにぶつかる
↓
暖かい空気がその影響で空高く上昇する
↓
空の冷たい気温で冷やされ、大雨となる雲(積乱雲)に変化する
↓
空に吹く強い風で流される
↓
同じ現象が何度も起きて、雲の行列になる
↓
雲の行列が移動する場所で大雨になる
日本のどこにでも発生しますが、特に暖かく湿った空気が流れ込みやすく、山などの高い地形が多い九州地方に多く発生する傾向があります。
どんなときに発表される?
最近では、大雨による洪水や土砂崩れへの警戒を促すため、気象庁が早めに発表するようになりました。
「顕著な大雨に関する気象情報」の発表基準を満たすような線状降水帯による大雨の可能性がある程度高いことが予想された場合に、半日程度前から、気象情報において、「線状降水帯」というキーワードを使って呼びかけます。
出典:気象庁「線状降水帯に関する各種情報」
(中略)
線状降水帯による大雨の正確な予測は難しく、この呼びかけを行っても必ずしも線状降水帯が発生するわけではありませんが、線状降水帯が発生しなくても大雨となる可能性が高い状況といえます。
単体のゲリラ豪雨でも洪水になることがありますが、それが何個も来るとなると、もっと大きな災害になることは誰でも予想がつくでしょう。
「線状降水帯」が現在いる場所に発生する可能性があると発表されたら、川の水があふれたり、雨水が下水道に流れきれなくなって洪水が起きることはもちろん。
土砂崩れなどの災害が起きやすい状況になるので、避難が必要な地域にいる場合はできるだけ避難をし、災害に対する日頃の備えもしておきましょう。
人気記事も下のほうにあります。
向上ライフが選んだ、この記事に関連するおすすめアイテム。
(実際に購入した方の口コミはリンク先でご確認ください)